2023.10.02 むし歯について
季節はすっかり秋になり、肌寒くなってきましたね。
味覚の秋を楽しみながら、食後のお口のケアも念入りにしていきましょう。
今回はむし歯についてお話します。
むし歯は口の中にいる細菌が糖をえさに作り出した酸によって、歯が溶かされる病気です。
むし歯の原因菌であるミュータンス菌は糖質を栄養にして増殖し、
グルカンというノリのような物質や酸を作り出します。
この酸によって歯の成分であるカルシウムやリンが溶けだし、脱灰して穴が開いてしまいます。
脱灰が進み、穴が開いてしまうと、エナメル質から象牙質へとむし歯が進行し
やがて冷たいものや熱いものがしみてきます。さらに放っておくと何もしなくても
ズキズキと痛くなります。これはむし歯が原因で神経に炎症が起きているからです。
やがて炎症が収まり痛くなくなることもあるのですが、今度は歯の根の先に細菌が感染して
膿の袋を作ります。こうなってしまうと、神経を取る治療が必要になったり
抜歯の可能性もでてきたりします。また、むし歯の原因にはこうした
「ミュータンス菌」と「糖」以外にも、「歯質」、その人の歯の耐酸性の強弱も関係があります。
この三つの要素が重なり、時間が経過することでむし歯が発生します。
間食を多く取る人や、甘いものをよく食べる習慣のある人は歯が酸にさらされる時間が長いため
むし歯になりやすくなります。乳歯や永久歯が生えたばかりの子どもは特に注意が必要です。
では、むし歯の発生を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
しっかりと歯みがきをする、デンタルフロスなども利用する、間食の回数を減らす、
フッ素を塗布する、就寝前に食べない などが有効です。
口の中の健康は全身の健康や生活の質に繋がります。
もしも、むし歯に気づいたら痛くなる前に早めに受診しましょう。そして日ごろから
むし歯にならないように歯科医院で定期的なメンテナンスをすることをお勧めします。