2024.1.5 大人特有のむし歯について
新年あけましておめでとうございます。
今年もきらら歯科をよろしくお願いします。
今回は大人特有のむし歯についてご紹介します。
日本人のオーラルケアに対する意識の高まりを受けて、子どものむし歯は大きく減っています。一方で大人のむし歯は増加傾向で、30代以降から目立ち始め、50代以降は特に顕著です。
大人のむし歯予防では、歯根の露出を防ぐことが重要です。歯周病や加齢、不適切なブラッシングなど、さまざまな原因で歯ぐきが下がると、歯の根元のセメント質や象牙質が露出します。それらは表面の凹凸が多く吸湿性も高いため、歯垢が付着しやすく落としにくい部分です。
またエナメル質と比べて非常に脆く、酸に対する抵抗力が弱いため、むし歯、いわゆる「根面う蝕」になりやすいです。
根面う蝕は、自分では気づきにくい病気です。露出した歯の根元は、歯冠部(歯ぐきから上)と異なる色味のため、むし歯になっているか視認しにくい部分です。また、歯の根元の露出は1か所だけでなく全体的に起こるのが通常です。そのため、複数の歯がむし歯になるケースも多く見られます。
進行しやすく、歯を失う原因にもなりかねない根面う蝕を予防するために、毎日のブラッシングにデンタルフロスや歯間ブラシを取り入れて、歯垢をしっかり除去しましょう。また、露出した象牙質の保護には、フッ素配合のハミガキ剤も有効です。
歯や歯ぐきなどの口腔内環境は一人ひとり異なります。年に2回以上は歯科医院でプロのケアを受け、自分に合ったブラッシング指導に基づくセルフケアを毎日継続することが大切です。