2024.4.5 お口の健康と全身の健康の関係
少しずつ気温が暖かくなり、春らしくなってきましたね。
皆さまはお花見に行かれましたか?
今回は歯周病が全身に及ぼす影響の関係についてお話します。
歯周病はプラーク(歯垢)の中の細菌によって歯ぐき(歯肉)が炎症を起こし、やがて歯を支える骨を溶かしていく病気で、気づかないうちに進行していきます。
近年、歯周病は、糖尿病・心臓疾患(狭心症・心筋梗塞)・脳血管疾患(脳梗塞)・誤嚥性肺炎などの全身疾患との関係性があることが明らかになってきました。
~誤嚥性肺炎~
食べ物や遺物を気管や肺に誤って飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。
肺や気管は、咳をすることで異物が入らないように守られていますが高齢になるとこれらの機能が衰えるため、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込みその際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。
その結果、免疫力の衰えた高齢者ほど発症しやくすなり、また脳血管障害によって神経活動が低下している高齢者にも多くみられる肺炎です。
原因となる細菌の多くは歯周病菌であるといわれており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが必要です。
また、滑舌低下、食べこぼし、食事中のわずかなむせや噛めない食品が増えるなどささいな口腔機能の低下は、お口の衰え「オーラルフレイル」かもしれません。
オーラルフレイルは身体の衰えと大きく関わっています。早めに気づき、対応することが大切です。
~糖尿病~
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つといわれてきました。
実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという調査結果が複数報告されています。
さらに、反対に歯周病になると糖尿病が悪化することや、歯周病を治療することにより、糖尿病も改善することがわかってきました。
このように、歯周病と糖尿病は相互に影響を及ぼし合っています。
歯周病も糖尿病も生活習慣病の一つですから、互いに深い関係があって不思議ではありません。
毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病の予防や早期治療を行うことは、全身の健康にとても重要です。
生活習慣病を予防するためにも、少なくとも半年に一度は歯科医院で受診し、お口のケアを受けるようにしましょう。