2022.7.3 中高生の歯肉炎について
梅雨が明け、猛暑が連日続いています。
熱中症で搬送される方が多くなっているので、熱中症対策をしっかりされてくださいね。
今回は中高生の歯肉炎放置についてご紹介します。
歯肉炎がある子どもの割合は年齢とともに増えますが、特に小学校高学年から中学生のいわゆる思春期に大きく増加します。
これは思春期の体の変化によってホルモンバランスが変わることや、中学生になって生活が大きく変わることなどが影響しています。
歯肉炎は不十分な歯磨きなどによって堆積した歯垢が原因で生じる病気です。「歯ぐきが赤く腫れる」「歯磨きの時に出血する」などの症状が表れますが、通常は痛みもありませんし、歯がグラグラすることもありませんので食事に支障はほとんどありません。
そのため、学校の歯科健診などで歯肉炎の診断を受けても、歯科を受診せずに放置してしまう中高生が少なくありません。
歯肉炎は放置すると間違いなく本格的な歯周病に進行してしまいます。そうなると腫れや出血などの症状がひどくなり、膿がたまる、痛みが出るなどして、最終的には歯が抜けてしまいます。そこまで進むには長い年月がかかるので一般の方には気づきにくいのですが、中高年での歯の喪失の原因をたどっていくと、子どもの頃に発症した歯肉炎に行き着くということも少なくありません。
中高生に見られる軽度の歯肉炎は、正しい歯磨きをすることによって、数週間程度の短期間に改善または治癒することが可能です。
しかし、この正しい歯磨きは意外と難しく、ブラッシングが自己流になったり、歯並びの加減で生じる磨き残しに気がついていなかったりします。
歯ぐきの健康を保つためには、かかりつけの歯科医院で正しい歯磨きの仕方を教えてもらうことや、定期検診を受けることが大切です。